【リフィル処方箋】最大3回、薬局に持っていける処方せん|Bonne Santé
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【リフィル処方箋】最大3回、薬局に持っていける処方せん

7/5/2024
小野田幸

リフィル処方箋はアメリカやイギリス、フランスなどで導入されている制度です。日本では2022年4月に導入されました。

“理論上”、270日に1回だけの通院で良い。

そもそも、リフィル(refill)は「詰め替え」という意味です。その名の通り、最大3回まで繰り返し使える処方箋のことを指します。病院でもらった処方箋を最大3回薬局に持っていけるという意味です。あくまで”理論上は”ですが、1回あたりの上限で90日分の薬が処方できるので、3回分では270日分となり、ほぼ1年に1回の通院で済む計算になります。
症状が安定していて、定期的に通院している方が条件であり、例えばアレルギー性鼻炎といった疾患が対象になりやすいです。ただし、湿布や新薬、向精神薬などは対象外で、あくまで担当医が決定します。

メリット

  • 通院の負担が減る
  • 通院による感染症にかかるリスクが減る


デメリット

  • 病状の変化が見過ごされてしまうリスクがある
  • 処方箋を保管しておかなければならない


病院がリフィル処方箋を処方しない理由「患者からの求めがないから」

リフィル処方箋は未だ始まったばかりの制度であり、患者の約3割しか認知していない状況です。ジェネリック医薬品の普及にも時間がかかったように、リフィル処方箋も普及に時間がかかる可能性があります。医療機関がリフィル処方箋を処方していない理由として「患者からの求めがないから」(42.3%)が挙がっているのが現状です。さらに、医療機関がリフィル処方箋を処方した理由として「患者からの希望があったから」(37.1%)もあります。
慢性疾患を抱え、通院が面倒な方は、受診時に「症状が安定しているのでリフィル処方箋に変更できますか?」と担当医に相談してみると良いでしょう。担当医の判断によっては、例えば「来月血液検査してからにしましょう」や「高い値なので月に1回は通院してください」といった指示があるかもしれません。自分の症状とかかりつけ医の判断を考慮して、最適な治療方法を見つけることが重要です。
また、リフィルの度に違う薬局で薬をもらうことも可能ですが、同じ薬局で調剤してもらうことをお勧めします。体調の変化を薬剤師が見て、受診を勧めてくれるかもしれないためです。また、リフィル処方箋の原本を預かってくれる薬局もあります。

参考サイト

厚生労働省 令和4年度診療報酬改定の結果検証に係る特別調査(令和5年度調査)の報告案について
健保連 リフィル処方せん


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小野田幸
㈱オゾンヘルスケアラボラトリー
株式会社オゾンヘルスケアラボラトリー所属のコンサルタント、健康経営エキスパートアドバイザー。 精神科病院、介護老人保健施設の管理栄養士を経て、現在は健康保険組合向けに保健事業アドバイスを行っている。
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