【大人の常識 キーワードで学ぶけんぽ】保険者と被保険者って?|Bonne Santé
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【大人の常識 キーワードで学ぶけんぽ】保険者と被保険者って?

12/17/2021
田中 克彦


保険の構成要素

世の中には様々な保険があります。自動車保険、火災保険、がん保険、ペット保険、スマホ保険など、様々なものに保険をかけることができます。健康保険も、もちろん保険の一種です。保険というものは、必ず制度を運営する側と、制度を利用する側がいます。運営する側を保険者、利用する側を被保険者と言います。自動車保険で例えると、保険者は○○損保で、被保険者はお金を払って加入している人たちです。健康保険の保険者は○○健康保険組合や協会けんぽなどで、被保険者は毎月の給料天引きによってお金を払っている人のことです。みなさんも健康保険の被保険者であり、その証拠に「保険証」をお持ちだと思います。私たちはあのカードのことをよく「健康保険証」「保険証」と呼びますが、正式には、「健康保険被保険者証」といいます。その名の通り、”健康保険”の”被保険者”であることを”証”明するためのカードなのです。
 

保険者って何をやってるの?

様々な保険の保険者は運営組織として主に3つの仕事をしています。①被保険者の資格を管理、②保険料を集める、③給付の諸手続きを円滑に進める です。健康保険の場合、この3つに加えて2008年に特定健診・保健指導の実施が加わりました。40歳以上の被保険者の生活習慣病予防は、健康保険組合の義務となっています。
 

被保険者として

被保険者は利用する側ですが、ユーザーとしての声や要望などを健康保険組合に伝える手段は整備されています。具体的には、理事会や組合会という機関への参画です。執行機関としての理事会の半数は互選理事として被保険者から選出されます。また、議決機関としての組合会の半数は互選議員として被保険者から選出されます。また、個々の保険給付や一部の保険適用についての不服申し立ての制度もあり、救済の道が開かれています。このように、健康保険という社会保険制度は民主的に運営されているといえます。私たちはこうした制度の中で、思わぬ病気やけがの場合の補償や、日常の健康維持増進のための自助努力を安心して受けられることができます。そのためにも私たちは被保険者として、健康保険の仕組みを理解することが大切です。
 
 


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田中 克彦
株式会社オゾンヘルスケアラボラトリー
株式会社オゾンヘルスケアラボラトリーのシニアコンサルタント。 1954年、神奈川県生まれ。慶應義塾大学経済学部経済学科卒。日本発条㈱に1976年4月~2019年3月在籍し、経理部や人事部、同社健康保険組合常務理事を経験。その才能は多彩であり、多くの資格を持つ(労働安全衛生トレーナー、第一種衛生管理者、心理相談員、ストレスマネジメント検定(マスターコース)、キャリアコンサルタント、健康経営アドバイザー)
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